「今の会社嫌なんだよね。もう辞めるわ」と不満を漏らしていた友人に1年後会うと、まだ辞めてない。
よくある話ですが、よくあるからにはそれなりの理由があります。
人は変化を避けるように出来ています。無意識のうちに今までと同じように行動してしまうのです。これは本能的なものですから、なかなか変えられません。
本人も迷っているんです。社内の立場とか生活、家族のこと、色々考えているでしょう。本当は辞めたい、心機一転頑張りたい。でもそう簡単に動けるものではありません。
人は初めての痛みに弱い
初めての体験ってすごくエネルギーを使いますよね?
それがたとえ苦痛を伴わない、楽しいことでもけっこう疲れます。それは誰でもそうなんです。
子どもの頃に殴り合いのケンカをしたことがない人が大人になって初めて殴られると簡単に気絶してしまいます。それは相手のパンチが強いからではなくて、痛みに慣れていないからです。
慣れていれば、なんてことはない痛みでも、初めてだと気絶するほどのショックを受けるんです。40代、50代のサラリーマンがリストラにあって自殺してしまうのも同じ原理です。
仕事を辞めたことがない、職を失うという状態を経験していないと、それがいざ訪れた時にこの世の終わりかのように感じてしまう。
失業したからって死にはしない。それはあなたもわかっていますよね?でも怖い。それは初めてだからなのです。
初めての退職、転職
初めての退職、転職は相当なストレスです。しかも新卒の就職活動のときのあの緊張感、疲労感を思うと「またあれをやるのか・・・」と腰が重くなるのも無理はありません。
私も最初の会社を辞めるとき、すごく消耗しました。退職願を出すとき、職場の上司、先輩、取引先に挨拶回り、引き継ぎ、次に向かう準備もしなきゃいけないのにやることはたくさんある。うんざりしました。今となっては細かい苦労は忘れてしまいましたけど。
あなたがこれまで乗り越えてきた学生時代の、仕事での苦労も同じようなものだったはずです。しばらくすれば忘れてしまいますよね。そんなものなんです。転職なんて。
動けないのはあなたのせいではありません
動こうにも動けないのはあなたのせいではありません。人間本来の反応なんです。
今の仕事しか見えていない状況で、さあ動け、と言われても誰だって動けないんです。自分の中で先が見えていない状況で仕事をやめたら、それで一旦終わりですから。区切りがついてしまう。区切りに向けて動いて、その後どうすればいいかわからない。不安に決まっています。
まずは転職した後の姿を明確にイメージすること。そうすれば退職届けも、転職活動も、途中になります。区切りではなく、連続した流れの中のひとつに過ぎないのです。
頭の中だけで考えることほど無駄なものはない
まずは転職サイトにでもなんでも登録してみることです。あるいは友人、知人、取引先でもいい、自分は職を探しているとアピールしましょう。
自分で手足を動かて情報を収集し、少しずつイメージしていくこと。1日1つサイトを見た、でもいいんです。昨日よりも自分は進んでいるということを感じながら変化していきましょう。
頭の中だけで不満を並べたり、いい仕事が転がりこんで来ないかなあ、なんて空想にふけていても、何も変わりません。
まずは転職サイトに登録すること。これなら今すぐにでも、電車に乗りながらでも出来ることです。考えなくても出来ることはさっさと済ませてしまいましょう。話はそれからなんです。
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